|活用事例も紹介
現在、メタバースを活用したイベントの開催が注目を集めています。メタバースを活用することで、外出制限がかかっている状況でもイベントを開催できたり、イベント準備が容易になったりと多くのメリットがあります。
そこで今回は、メタバースでイベントを開催するメリットやデメリット、実際のイベント開催事例などを紹介します。
メタバースをイベントに活用したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
メタバースとは
メタバースとは、インターネット上にある仮想空間のことです。メタバースでは現実世界と同じように、空間内を移動したり、他のユーザーとコミュニケーションをとったりできます。メタバース内で行動する際は、自分の分身である「アバター」を利用します。
メタバースは、「フォートナイト」など主にオンラインゲームで活用されてきました。しかし、現在では仮想空間を仮想オフィスとして利用したり、仮想空間内でイベントを行ったりなどビジネス分野でも活用が広がっています。
メタバースと混合されやすい言葉に「VR(バーチャルリアリティ)」がありますが、VRは仮想空間を体験するための技術を指します。VRを利用すると、メタバース空間でより没入感をもって活動することが可能です。ただし、VRが無くてもメタバースは利用できます。
今後もメタバースの市場は急拡大することが見込まれており、さまざまな用途で活用されるようになるでしょう。
メタバースを活用したイベントの特徴
メタバースを活用したイベントの特徴は、現実に近いコミュニケーションをとりながらイベントを実施できる点にあります。メタバースはインターネット上に存在していますが、アバターを利用して空間内を自由に移動できます。また、他のユーザーがいる場合は、話しかけてコミュニケーションをとることが可能です。
Web会議ツールでもオンラインイベントを行うことは可能ですが、現実世界のようにコミュニケーションをとることは難しいです。なぜなら、イベントで見かけた人に声をかけたり、会場内を移動したりできないからです。基本的にWeb会議ツールでは、決めた時間にビデオ通話で参加者と繋がることしかできません。
メタバースを活用すれば、参加者がイベント会場にいる感覚で参加できます。そのため、オンラインイベントであっても現実に近いイベントを実施できます。
また、メタバースを活用したイベントでは、非日常・非現実な体験が可能です。仮想空間の中で、現実にはない空間を楽しむことができます。
メタバースで実施できるイベント
メタバースで実施できるイベントの種類は多岐にわたります。
⦁ 音楽ライブ・イベント
⦁ 展示会
⦁ セミナー・講演会
⦁ 社内交流イベント
⦁ ツアー
⦁ スポーツ観戦
⦁ 海外交流イベント
ここからは、一つずつ紹介していきます。
音楽ライブ・イベント
メタバースの音楽ライブやイベントでは、アーティストや観客をアバターにします。アバターだからこそ、身体的な危険を感じずにアーティストとの距離を縮められたり、他のファンと交流したりといった行動ができます。
また、メタバースはオンライン上の空間のため、現実世界ではできない会場設計や演出が可能です。例えば、アーティストのアバターの頭上から雪を降らせたり、雷のような演出をしたりできます。また、観客のアバターは顔文字などでリアクションをとったり、アーティストに投げ銭をしたりできるイベントもあります。
メタバースの利用により、オンライン上であっても現実世界のような感覚で、音楽ライブやイベントを実施することが可能です。
展示会
メタバース上での展示会では、アバターを通して顧客とリアルタイムでコミュニケーションをとれます。展示会で商品に興味をもった参加者がいれば、そのまま商談を実施することも可能です。
参加者が商品を購入する場合は、展示会場から商品購入サイトに移動させて、商品購入を促すこともできます。また、メタバース空間では商品のPR動画を流したり、商品に合った演出をしたりと、さまざまなプロモーションが可能です。
メタバース展示会では、実際の会場を3DCGなどで再現することもできます。メタバース展示会であれば、リアルな展示会と近い形で、オンライン展示会を実施することが可能です。
セミナー・講演会
メタバースでは、セミナーや講演会を実施できます。講師や参加者は自分の分身であるアバターを利用して、参加します。登壇者によるスピーチに対して、参加者がリアクションや質問をすることもできるため、現実世界でのセミナー・講演会のように行えます。メタバース上では現実世界のように、少人数のグループに分けて会話をすることも可能です。
メタバースのセミナーや講演会では、実施するための部屋を作成し、そこに参加者を招待できます。自社のオフィスなど現実世界にある場所を会場にしたい場合は、再現した部屋をつくることも可能です。メタバース上で作成した部屋の中では現実世界と同じように、座席を指定したり、プレゼンテーションを行ったりできます。
社内交流イベント
メタバースで社内交流イベントを実施すれば、海外にいる従業員など、遠い場所に住んでいる人でも気軽に参加できます。社内交流イベントをメタバースで実施している企業は多くないため、従業員に興味をもってもらえる可能性が高いです。
利用するシステムによってはイベント機能があり、クイズ大会などさまざまなコンテンツを楽しめます。メタバース内では社員一人ひとりがアバターを利用するため、オフラインに近い臨場感で交流イベントに参加できます。
ツアー
メタバース空間内で観光地を作成すれば、アバターを利用してツアーを実施できます。現実世界にある建造物や街を再現して、散策することも可能です。ユーザーが自由に場所を変えて閲覧できるため、その場にいるかのような臨場感の中、歩き回れます。
実際に現地に足を運ぶのが難しい人でも、メタバースのツアーであれば参加できます。オンライン上のツアーではありますが、アバターを介して建物を見学したり、写真をとったりして楽しめます。
メタバース上でのツアーは現実と比較して、費用が安く、リスクも低く済むため、参加しやすくなります。そのため、メタバース上でのツアーを通して、その地域や観光地の魅力を発信でき、現実世界での観光振興につながる可能性があります。
スポーツ観戦
スポーツ観戦では会場内で選手のアバターが試合をし、観客のアバターが同じ会場内で応援します。また、現実世界の試合をメタバース上でみて、観客アバター同士で盛り上がることも可能です。アバター同士であれば現実世界のように、リアクションを取り合ったり、ハイタッチをしたりできます。
また、仮想空間上では現実世界とは異なり、選手の間近までアバターで接近できます。そのため、選手の近くにいる視点でプレーを体験することが可能です。オンライン上であっても、その場にいるかのような臨場感の中、スポーツ観戦をすることができます。
海外交流イベント
メタバースを活用すれば、気軽に海外交流イベントを実施できます。移動しなくても、インターネットさえあれば、全世界の人と交流できます。アバターを利用してジェスチャーや感情表現ができるため、コミュニケーションが取りやすいです。
システムによっては実世界の疑似体験として、空港でのチェックインやホームステイ先での体験など、海外でのさまざまなシチュエーションを体験できます。また、仮想空間内で海外に住む学生とゲームを楽しんだり、共同作業をしたりすることも可能です。
メタバースでイベントを開催するメリット
メタバースでイベントを開催するメリットを紹介します。
⦁ 世界中の人を集客できる
⦁ 現実では不可能な体験を提供できる
⦁ イベント準備が容易になる
一つずつ確認していきましょう。
世界中の人を集客できる
メタバースでイベントを開催すると、世界中の人を集客できます。なぜなら、住んでいる場所に関係なく、インターネットさえ繋がっていれば、イベントに参加できるからです。
今まで会場が遠すぎて足を運べなかった人でも、メタバース上でのイベントであれば参加できます。リアルイベントで合った地理的な制限も、メタバースイベントであれば気にする必要がありません。メタバース上でイベントを実施することで、幅広い地域のターゲットに対してアプローチできます。
メタバースイベントでより多くの人をイベントに招待することが可能になり、ビジネスチャンスの拡大が期待できます。
現実では不可能な体験を提供できる
メタバースの中では、現実では不可能な体験を提供できます。メタバース内では、自分の分身であるアバターを利用してイベントを行うからです。
例えば、過去の出来事を再現して体験したり、アバターで空を飛んだりなど、さまざまな体験ができます。現実世界では危険でできないことでも、メタバース内であれば安全を確保して実施できます。
メタバース内では、仮想の空間の中でも現実のような感覚で、さまざまな体験ができます。そのため、メタバース上で現実では不可能な体験を提供すると、参加者に強い印象を残すことが可能です。
イベント準備が容易になる
メタバースでイベントを実施すると、イベント準備が容易になります。メタバースはオンライン上の空間のため、会場を設営したり、紙の資料を印刷したりといった手間がかからないからです。
現実世界のイベントでは、会場設営のために机や椅子を準備したり、配布するチラシを作成して印刷したりといった準備が必要です。しかし、メタバースイベントであれば、会場設営は不要になり、チラシはメールで配布できます。メタバースイベントの場合、事前に用意された空間を会場として利用するため、設営の準備が必要ありません。また、チラシは参加者がダウンロードできる場所に保存しておけば、メールで配布する手間も省けます。
イベント準備が容易になる点は、メタバースでイベントを実施する大きなメリットです。
メタバースでイベントを開催するデメリット
メタバースでイベントを開催するデメリットを紹介します。
⦁ 参加者に離脱されやすい
⦁ セキュリティ対策が必要
⦁ 導入に費用がかかる
具体的な内容を確認していきましょう。
参加者に離脱されやすい
メタバースでイベントを開催する場合、参加者に離脱されやすいです。なぜなら、リアルなイベントと異なり、ワンクリックで簡単に離脱できるからです。
現実世界の会場でイベントに参加する場合は、会場まで足を運ぶ必要があり、来場した参加者は簡単に離脱しません。一方、メタバースイベントでは、商品に興味をもたれなければすぐに離脱されます。
また、オフラインのイベントでは通りかかった人にチラシを配布するなど、集客できますが、オンラインではできません。そのため、一度離脱されると戻ってきてもらえる可能性は低いです。
メタバースでのイベントは参加者に離脱されやすいため、参加者に最後まで興味をもち続けてもらえるコンテンツ作りが重要になります。
セキュリティ対策が必要
メタバースでイベントを実施する場合、セキュリティ対策が必要です。なぜなら、インターネットに接続してイベントを開催するため、さまざまなセキュリティリスクがあるからです。
例えば、以下のようなリスクがあります。
⦁ なりすまし
⦁ データの書き換え
⦁ 情報漏洩
⦁ 不正ログイン
メタバースでは情報漏洩のみならず、アバターになりすましをして詐欺を行うなど、メタバースならではの犯罪が起きています。セキュリティリスクに関しては参加者に対して説明し、対策をしてもらうことが重要です。
メタバースを導入する際は、多要素認証を設定したり、不正アクセス検知システムを導入したりと、セキュリティ対策が必要になります。
導入に費用がかかる
メタバースを導入する際は、費用がかかります。メタバースを導入する際には、必要な機材をそろえなくてはならないからです。具体的には、パソコンやVR機材などの準備が必要です。ただし、メタバースがVRではない場合は、VR機材は必要ありません。この場合、出費が抑えられます。
また、メタバースを利用するには、システムの導入が必要です。無料のサービスもありますが、カスタマイズできないため、使いづらい可能性があります。
外部に委託してメタバース空間の制作を依頼すると、費用は高くなりますが、カスタマイズが可能です。運営側にとって使いやすく、参加者が楽しめるメタバース空間をつくるには、外部委託する方法がおすすめです。費用は、月額数万円のものもあれば、初期費用で数百万円以上かかるものもあります。
導入には少なからず費用がかかるため、導入前に予算を確認しておくことが必要です。
メタバースを活用したイベントの事例
メタバースを活用したイベントの事例を2つ紹介します。
⦁ 日産のバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」
⦁ サンリオによるライブイベント「サンリオバーチャルフェス」
一つずつ確認していきましょう。
日産のバーチャルギャラリー「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」
NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)では、実際の館内の様子や展示車の中まで、Googleストリートビューでみることができます。実在のギャラリーを忠実に再現しており、会場内では電気自動車など、さまざまな自動車の展示を行っています。
NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)では、新車発表会や講演なども行っており、情報発信のツールとして活用しています。バーチャルギャラリーの制作には、多くのクリエイターが参加しています。
NISSAN 「NISSAN CROSSING(ニッサン クロッシング)」
サンリオによるライブイベント「サンリオバーチャルフェス」
サンリオバーチャルフェスは、サンリオが開催しているライブイベントで、リアルアーティストとバーチャルアーティストのどちらも出演しています。
チケットにはスマホやPCからライブを見ることができる「SPWN版」と、PCとVRゴーグルで参加する「VRchat版」があります。
参加者は自分の分身となるアバターでライブの会場に入場するため、リアルなライブに近い感覚で音楽ライブを楽しめます。
サンリオ「サンリオバーチャルフェス」
まとめ
メタバースとは、インターネット上のバーチャル空間のことです。メタバースでは、リアルな世界と同じように、バーチャル空間内を移動したり、他のユーザーとコミュニケーションをとったりすることが可能です。メタバース内では音楽ライブやイベント、展示会など、さまざまなイベントを実施できます。
メタバースでイベントを実施するメリットは、世界中の人を集客できる点や、現実では不可能な体験を提供できる点にあります。また、オンライン上でイベントを実施するため、イベント準備が容易になる点もメリットです。
一方、メタバースでイベントを開催するデメリットは、参加者に離脱されやすい点です。参加が簡単な分、離脱される可能性も高くなります。また、セキュリティ対策が必要な点や、導入に費用がかかる点もデメリットとして考えられます。
メタバースでイベントを実施するには、Remoのツールをおすすめします。Remoは、あらゆるイベントの開催ができる、交流促進型のコミュニケーションツールです。
Remoでは、従来のWeb会議ツールとは異なり、さまざまな双方向コミュニケーションをとることができます。例えば、以下のような機能があります。
⦁ 登壇者にリアクションする
⦁ 投票やクイズなど参加型イベントの実施
⦁ 参加者のスペース内の移動
⦁ ホワイトボードやチャットの活用
オフラインのイベントと同様、雑談をしたり、偶発的な交流を行ったりということも可能です。メタバースでのイベントを検討している方は、ぜひRemoまでお気軽にお問い合わせください。現在実施中の無料トライアルでは、実際に機能を体験できます。