テレワークは、同僚がいない空間で仕事を進めるため、オフィスで行われてたような気軽な会話や雑談ができず、コミュニケーションにおける課題が発生しやすいといわれています。業務におけるコミュニケーション不足は、進捗の遅れやモチベーションの低下に繋がるため、早急な解決が必要になります。
この記事では、テレワークにおけるコミュニケーションの課題と解決方法について解説します。
テレワークを導入することでコミュニケーションしづらい環境になってしまうことが大きな課題です。テレワークはオフィスに出社しなくても仕事を進められるため、通勤時間を削減できる、子育てや介護などと両立できるメリットがあります。しかし、オフィスに出社しないことで、他の人と一緒に同じ空間で仕事をすることがなくなってしまうため、コミュニケーションの数自体が減ってしまうのです。
オフィスに出社をすれば朝夕の挨拶や休憩時間での雑談、仕事中でもちょっとしたやりとりがあるため、実は勤務時間中に何度も従業員同士のコミュニケーションが発生していました。しかしテレワークに移行すると、コミュニケーションをするのに手続きや操作が必要になるため、気軽な雑談をすることなく、仕事に関する最低限のやりとりにとどまってしまいやすくなります。
コミュニケーションの数が減り、仕事に関することだけの最低限のやりとりに終始すると、人はストレスや孤独を感じやすくなります。ストレスや孤独感は仕事へのモチベーションに大きな影響を与えるため、企業としては早急に対処しなくてはなりません。テレワークでストレスや孤独を感じてしまう理由としては、「自分の仕事が止まってしまったときに気軽に協力をあおげない」、「近くに同僚がいないため悩みを共有することができない環境に置かれてしまう」ことがあげられます。オフィスにいれば上司にすぐアドバイスをもらえて、同僚と話してストレスを小まめに発散することができますが、テレワークでは孤独に黙々と作業をしなければならないため、そういったガス抜きのタイミングを失ってしまいます。
テレワークでは従業員同士だけでなく上司と部下とのコミュニケーションも不足してしまうため、業務の進捗管理もしづらくなってしまいます。テレワークでも進捗をチャットで報告するなど数値で状況を示すことは可能です。しかし、オフィスで仕事をしていたときのように、表情や仕草から本人の行き詰まりなどを察知することはできません。普段と違う様子と分かれば仕事が進んでいないのではと状況を推しはかることができますが、パソコンの画面上では、例えテレビ通話であっても細かい表情の変化を読み取ることは困難になります。オフィスでは業務の進捗管理は数値だけでなく、仕事に取り組む姿勢からも判断されています。進捗管理がしにくい点も、テレワークにおけるコミュニケーションの課題になっています。
テレワークでコミュニケーションが不足してしまう原因は、スムーズで気軽なやりとりができないことにあります。テレワークで対面コミュニケーションをおこなう場合、まずテレビ電話のためのURLをチャットやメールなどで共有し、お互いが十分な速度のあるインターネット環境のもとにいることを確認し、ツールを起動しコンタクトを取る必要があります。
また、コンタクトが繋がりテレビ電話が開始された後も、通話が途切れてテレビが止まってしまうなど、やりとりに何度もタイムラグが発生します。オフィスにいたときのようなスムーズな会話が難しく、隣の席の人にちょっとだけ聞きたいことがあるといった内容のことも、手続きや段階を踏まなければなりません。業務に必要な報告・連絡以外のほとんどの会話が、テレワークを導入することでできなくなってしまうのです。
テレワークでお互いが物理的に離れた場所で業務を行う際は、誰が何をしているのかを明確にすることで、コミュニケーション問題の解決に繋がります。業務の進捗状況やスケジュールに関する情報は、ツールなどを利用して共有するとよいでしょう。お互いのスケジュールや進捗を把握できるようにしておくことで、声がけしやすい環境に整えることができます。ただスケジュール表に自分の予定を入力するだけではコミュニケーションは生まれないため、毎朝その日のスケジュールをチャットで共有するなどして、会話のキッカケ作りを習慣化するのも一つの手段です。コミュニケーションが不足しがちなテレワークでは、会話を作るキッカケをそこかしこに用意することが大切です。
テレワークに活躍してくれる専用のコミュニケーションツールがいくつもあるので、自社に必要な業務に合わせて導入するのもオススメです。従業員同士の交流を活発にさせるためのバーチャルオフィスツール、業務のスケジュールや進捗状況をチームごとに共有できるビジネスチャットツール、お互いの顔を見ながら会話ができ、会議資料なども共有・編集できるWEB会議システムツールなど、目的別にさまざまなツールが利用可能です。メールだけだとコミュニケーションを取るのに時間がかかりすぎ、LINEなどのSNSはプライベート色が強いため仕事では使いたくない人もいるはずです。ツールを導入することで、使い方についても理解を深めようとする会話が生まれることでしょう。
特にコミュニケーションツールを新たに導入した際に必要になりますが、やりとりをする際のルールを設定することで、スムーズなコミュニケーションや業務効率化を実現することが可能になります。業務ファイルの保管についてのルール、定例ミーティングのスケジュール管理、チャットツールやバーチャルオフィスツールの基本的な使い方の共有など、ある程度の決まりごとがある方が、完全に自由な使い方をするよりも統制を取れるほか、必要な操作を習慣化できるメリットがあります。リモートワークについてのルールを設定し、軽快で効率的なコミュニケーションを目指しましょう。
テレワークの導入で気軽な会話が難しくなっている状況においては、コミュニケーションの課題を解決するには、業務外の雑談や会話の頻度を増やすことが効果的です。業務外のコミュニケーションをテレワークでも増やすことができれば、従業員のストレスや孤独感を払拭することができ、仕事に対してのモチベーションの向上に繋がります。
例えば、「チャットツールで雑談用のスペースを確保する」、「お昼休憩などにWEB会議システムを利用して一緒に昼食を取る」など、普段どおりの感じで雑談がしやすい環境をツールを駆使して構築します。業務以外のやり取りもできるオフィスにいるような雰囲気を作れれば、気軽なコミュニケーションが自然と出てくるようになり、業務に関するやりとりもよりスムーズに進んでいくはずです。
テレワーク中のコミュニケーションを促すには、ある程度の強制力をもったルールを設定することも大切です。メッセージへの迅速なレスポンスを気にしすぎると、集中してタスクに取り組めなくなってしまいます。迅速なレスポンスは大切ですが、レスポンスやチャット確認は1日の決まった時間に行うなど、レスポンス疲れを起こさないためのルールを決めましょう。
テレワークはオフィスへの出社がなくなるため通勤を省いて仕事に臨むことができますが、プライベートとの切り替えが曖昧になるため、気を抜きすぎてしまう人と、過労が増してしまう人に分かれてしまう傾向があります。テレワークは自由に仕事をし、休憩できるメリットはありますが、就業時間が設定されている以上、リラックスしすぎない、そして働きすぎないために最低限のルールを従業員の中で共有することが効果的です。
テレワークではちょっとしたコミュニケーションである雑談がしにくくなりますが、仕事の報連相もちょっとしたコミュニケーションに入るため、従業員としてはどのように報告すればよいのか迷ってしまっています。
進捗状況を積極的に報告できる体制を整えましょう。進捗状況をこまめに報告されて困る人はいませんが、小まめに報告できる環境を作らなければ、状況を把握することはできません。報連相をしない人に行動を促しても改善されることはありませんが、管理者として誰でも気軽に報連相できる仕組みを構築する責任があります。テレワークでお互いの状況が見えないからこそ、ルールを作り、様子を伺わなくても報告を収集できる体制を整えましょう。
バーチャルオフィスツールはインターネット上に仮想オフィスを構築するためのツールで、アイコン(アバター)を自分の代わりに仮想オフィスに出社させ、同僚に声をかけるほか、会議室でミーティングをするなど、オフィスで仕事をしているような臨場感を体験することができます。oVice(オヴィス)はオフィスでのリアルな会話を体験できるツールのひとつです。自身のアイコンを他の人のアイコンに近づければ会話ができるようになり、アイコンを離すと会話から外れます。ツールのカスタマイズや他のコミュニケーションツールとの連携も可能なため、今の業務スタイルをそのままにバーチャルオフィスを導入することができます。
ビジネスチャットツールは業務上の会話や進捗管理をスムーズに実施することに特化したツールです。小まめにスピーディな報連相を可能にするチャット機能、タスクの整理と進捗状況を把握できる業務管理機能、ミーティングなどで利用するテレビ電話や資料共有機能を備えています。Slackは世界150カ国以上で使われているビジネスチャットツールで、個人同士はもちろんチームごと、部署ごと、組織ごとなどあらゆるセグメントに分けた使い方が可能です。シンプルなデザインと操作性が特徴的で、はじめての人でも安心して使用できます。
WEB会議システムは、インターネット上にミーティングルームを構築し、ネット回線があればどこからでも会議を実施・参加できるシステムのことです。専用の回線や専用の機器が必要になるテレビ会議とは違い、WEB会議は安価で手軽にミーティングができるため、テレワークを進めたい多くの企業に支持されています。Zoomは、コロナ禍で在宅ワークが多くの企業で取り入れられたことで急速に拡大したWEB会議システムです。URLを共有するだけで会議を開くことができ、クラウド上に動画や音声を保存して見返すことも可能です。
テレワークやリモートワーク環境では、コミュニケーション不足になりがちですが、組織主体で工夫をすることでストレスをためずに業務を進めることが可能になります。
Remo(リモ)は、世界中の様々なシーンで、リモートワークの仕事拠点として使われる、バーチャルオフィスツールです。管理者側と利用者側の両サイドにとって、直感的に使いやすいインターフェースが特徴的なツールであり、多くの企業・団体・教育機関が、Remoの仮想スペース上で、バーチャルオフィスやオンライン教室の運営、また、展示会や懇親会等のイベントを開催しています。バーチャルオフィスの導入を検証する際は、Remoは欠かせない選択肢のひとつといえるでしょう。