オンライン授業とは?実施するメリットやデメリット、成功させるコツなどを解説

オンライン授業は、ネットワークを通じておこなう授業です。対面の授業とは異なり、生徒は端末を通してどこでも授業を受けられます。

 

コロナウイルス感染拡大の影響もあり、オンライン授業の需要は年々高まっています。オンライン授業導入を検討している教育者の方もいらっしゃることでしょう。

 

そこで今回は、オンライン授業をおこなうメリットやデメリット、成功させるコツなどをくわしく解説します。

オンライン授業とは

オンライン授業とは、ネットワークを通じておこなう授業のことです。生徒はパソコンやタブレット、スマートフォンなどの端末を利用して、授業を受けます。対面の授業とは異なり教室が必要ないため、あらゆる場所から授業を受けられます。

 

オンライン授業が注目された背景には、2020年の新型コロナウイルス感染拡大があります。感染拡大により外出が制限された中でもオンライン授業は実施できるため、多くの教育機関で導入されました。株式会社日経BPコンサルティングによる調査結果によると、2020年度は96.8%の高等教育機関(大学・短大・高等専門学校)でオンライン授業がおこなわれました。

参考:日経BPコンサルティング調べ「高等教育におけるオンライン教育実態基礎調査」(2021年6月実施)

 

オンライン授業は単体のみならず、対面の授業と組み合わせて利用することも可能です。組み合わせて利用すると、両者のメリットを活かした授業が実施できます。

 

オンライン授業には、ライブ配信とオンデマンド配信の2種類があります。それぞれ具体的に確認していきましょう。

 

ライブ配信

ライブ配信は、リアルタイムで授業を配信するオンライン授業です。講師が授業をおこなうのと同じ日時に、生徒は画面越しで授業を受けます。

 

ライブ配信ではZoomやChatworkなどWeb会議のツールを利用して、授業をおこないます。Web会議ツールを利用する点やネットワークを介する点は対面授業と異なりますが、それ以外の部分は対面授業と変わりません。

 

ライブ配信の場合、双方向でコミュニケーションがとれるため、生徒の状況を見ながら授業を実施できます。また、リアルタイムで授業をおこなうため、授業中に質疑応答が可能です。生徒同士でグループワークをおこなう場面でも、ライブ配信であればおこなえます。

 

一方、ライブ配信のデメリットは、授業の時間帯をあらかじめ決める必要がある点です。授業の開始時刻に合わせて、講師と生徒の双方が会議ツールにログインする必要があるため、授業を実施する時間に制約があります。

 

オンデマンド配信

オンデマンド配信は、あらかじめ録画しておいた映像をインターネットで配信するオンライン授業です。録画した映像をクラウド上にアップロードし、生徒はそれをみて授業を受けます。

 

アップロードした映像は、教材の一つとして利用が可能です。映像は事前に録画してあるため、早送りや一時停止などの操作を生徒が自由にできます。オンデマンド配信は対面授業と異なり、自分のペースで学習が可能です。

 

オンデマンド配信の場合、生徒は自分の都合のつくタイミングで繰り返し授業を受けられます。繰り返し授業を受けられるため、学習の理解度を深められます。さらに、得意な分野は早送り、苦手な分野は繰り返しみる、といった映像の特性を活かした方法でより効率的に学習を進めることが可能です。また、先生は同じ話を繰り返しせずに、多くの生徒に同じ質の授業を実施できます。

 

オンデマンド配信のデメリットは、授業中に生徒はすぐに質問できない点と、先生は生徒の理解度を確認しづらい点です。そのため、アンケートで質問を受け付けたり、小テストや課題などで理解度を確認したりといった対策が必要になります。

 

オンライン授業を実施するメリット

オンライン授業には、インターネットを通じて授業を実施することによるメリットが多数あります。

 

オンライン授業をおこなう主なメリットは、次の5つです。

 

●      生徒一人ひとりに合った授業を提供できる

●      緊急時でも授業が実施できる

●      一度実施した授業は何度も再生できる

●      授業の質を向上できる

●      集客対象を全国に広げられる

 

ここからは、メリットの詳しい内容を一つずつ確認していきます。

 

生徒一人ひとりに合った授業を提供できる

オンライン授業の中でもオンデマンド配信を利用すると、生徒一人ひとりに合った授業を提供できます。オンデマンド配信は、あらかじめ録画した映像を配信する授業です。

 

なぜなら、オンデマンド配信だと授業の内容が完全に確定しているからです。対面の授業では授業の進むペースや生徒の理解度に応じて内容が変わることもありますが、オンデマンド配信であれば決まった内容から大きくずれることはありません。

 

分野やレベルごとに授業を録画して保管しておけば、生徒の得意不得意に合わせて映像を提供することが可能です。生徒の得意不得意は、小テストや課題などで把握します。

 

生徒の理解度に合わせて対象の分野の映像を配信することで、生徒一人ひとりに合った授業を提供できます。

 

緊急時でも授業が実施できる

オンライン授業であれば、災害や体調不良などの緊急時でも授業を実施できます。

 

スマートフォンやパソコンなどの端末を利用して授業をおこなうため、インターネットが接続していれば授業が可能だからです。

 

例えば、災害により生徒の登校が難しいときでも、オンライン授業であればおこなえます。2020年の新型コロナウイルスの広がりにより、多くの学校が休校になりました。通常はその期間授業を進められませんが、オンライン授業を導入すれば、すべての授業をオンラインでおこなえます。

 

このように、通信環境さえあればオンライン授業は実施できるため、災害などの緊急時でも安心です。

 

一度実施した授業は何度も再生できる

オンライン授業の中でもオンデマンド配信の場合、授業を何度も再生できます。あらかじめ録画した映像を流して、授業を実施するからです。

 

生徒は苦手な分野や一度みて理解できなかった部分のみ、自分で繰り返し視聴が可能です。一度見た動画を繰り返しみることで理解を深めたり、記憶に定着させたりする効果が期待できます。

 

また、一時停止や巻き戻しなども可能なため、自分のペースで学習を進めることが可能です。自分の得意な分野は早送り、苦手な分野は巻き戻しで繰り返し見る、といったように工夫次第で効率的に学習が進められます。

 

対面の授業では何度もまったく同じ授業は受けられませんが、オンライン授業であれば繰り返し受けられます。

 

授業の質を向上できる

オンライン授業をおこなうと、1回1回の授業の質をあげられます。

 

なぜなら、オンライン授業をおこなった後、その授業を見直せるからです。講師は自分で授業を見直して、改善点を見つけられます。また、質の高い授業をしている講師に映像を見せ、フィードバックさせることも可能です。

 

対面授業の場合、一度した授業を録画するケースはあまり無いため、見直しする機会がありません。授業の見直しをしないと、改善できません。

 

授業を見直すことで講師の質が上がり、授業の質向上も期待できます。

 

集客対象を全国に広げられる

オンライン授業実施により、生徒の対象を全国に広げられます。

 

なぜなら、インターネットさえ繋がれば、オンライン授業はおこなえるからです。対面授業の場合、実際に教室まで足を運ぶ必要がありましたが、オンライン授業では必要ありません。通信環境とスマートフォンやパソコンなどの端末があれば、どこでも授業を受けられます。

 

例えば、家の近くに塾が無く、通えない子どもは集客対象です。過疎化が進んでいる地域では講師がおらず、塾に通いたくても通えない子どもが一定数います。そういった子どもたちを生徒の対象とすれば、集客のチャンスは大きく広がります。

 

オンライン授業では、対面授業ではできなかった全国への集客が可能です。

 

オンライン授業を実施するデメリット

オンライン授業を実施するデメリットは、以下の通りです。

 

●      環境づくりにコストがかかる

●      通信環境などのトラブル対策をする必要がある

●      生徒とコミュニケーションが取りづらい

 

では、具体的な内容をみていきましょう。

 

環境づくりにコストがかかる

オンライン授業をおこなうには、配信するための環境づくりに費用がかかります。

 

なぜなら、オンライン授業では、授業で使うカメラやマイク、パソコンなどが必要になるからです。また、インターネットに繋いで授業をおこなうため、快適な通信環境も必要です。

 

通信環境の整っていない教育機関が一からすべて揃えるとなると、大きな費用になります。例えば、通信回線を導入すると、毎月回線費用がかかります。導入する回線によっては、開通にも工事費用がかかり、負担が大きいです。パソコンを購入する場合、一般的に安くても3万円ほどの費用がかかります。

 

環境づくりにどのくらい費用がかかるか、導入する前に計算しておく必要があります。

 

通信環境などのトラブル対策をする必要がある

オンライン授業をおこなう際は、通信環境などのトラブル対策が必要です。

 

理由は、通信環境に問題があると、授業がおこなえないからです。特にライブ配信の場合、問題が解決するまで生徒は画面の前で待機し続けるしかありません。

 

また、講師側の通信環境が問題なくても、生徒側の通信環境に不具合が生じると授業を実施できません。講師側の通信回線が早くても生徒側が遅いと、画面の読み込みや音声に遅延が生じる可能性があります。場合によっては、生徒に回線や端末を提供しなければなりません。

 

そのため、トラブルが起きたときの対応方法を決めておく必要があります。また、授業がおこなえない場合に備えて、授業のスケジュールは余裕をもって設定しておくのが望ましいです。

 

生徒とコミュニケーションが取りづらい

オンライン授業は対面授業と比較して、生徒とコミュニケーションが取りにくい場合があります。特にオンデマンド配信の場合、あらかじめ録画した授業を流すため、生徒とお互いにコミュニケーションを取る機会がありません。

 

オンライン授業ではインターネットを通じて配信をおこなうため、講師から生徒に対して一方的に話す時間がどうしても長くなります。意識的に会話の機会をつくらなければ、コミュニケーションが不足します。

 

対面授業であれば、休憩時間や授業後に質問しにきた生徒と話す機会があります。しかし、オンライン授業だと個人的に話す機会がありません。

 

そのため、チャットを導入したり、面談を設けたりと、生徒と個別にやり取りする機会をつくっておくと、コミュニケーションを取りやすくなります。

 

会話の機会が減ると生徒に不満が蓄積される可能性があるため、コミュニケーションをとる機会を積極的につくるようにしましょう。

 

オンライン授業のやり方【ライブ配信】

ライブ配信によるオンライン授業のやり方を紹介します。ライブ配信は、インターネット回線を通じてリアルタイムで実施するオンライン授業です。ZoomやChatworkなどのアプリさえあれば、誰でも簡単に始められます。

 

ライブ配信によるオンライン授業は、次の3ステップで完了します。

 

  1. 授業用URLを生徒に通知する
  2. 生徒の入室で出席を確認する
  3. 授業を実施する

 

オンライン授業のやり方を、順番に確認していきましょう。

 

1.授業用URLを生徒に通知する

オンライン授業の実施日時や参加者が決定したら、授業用URLを生徒に通知します。授業用URLは、ZoomやChatworkなどの会議用ツールで発行が可能です。発行の手順は、それぞれのツールの説明書をご確認ください。

 

通知したURLを授業開始日時にクリックすると、生徒は授業に参加できるようになります。授業用URLの通知を忘れると、その生徒は参加できません。参加者名簿を作成するなどして、必ず抜け漏れなく通知をおこないましょう。

 

2.生徒の入室で出席を確認する

授業当日に生徒が授業用URLから入室するため、出席を確認します。なお、出席確認が不要な授業の場合はこの手順は必要ありません。

 

生徒がURLをクリックすると、授業の主催者側に通知が来ます。通知を確認し、授業の出席予定者による入室であれば承認ボタンを押し、入室を許可します。

 

承認と同時にスクリーンショットやメモ機能で、入室した生徒の名前を記録しておきましょう。出席回数が成績に関係する授業の場合は、出席回数を正確に把握しておかないと、生徒とのトラブルに発展する可能性があります。

 

生徒が入室した時点で、出席を確認しておきましょう。

 

3.授業を実施する

授業を受ける生徒が全員入室したら、授業をおこないます。欠席者がいる場合は個別に連絡をとり、おこなった授業の映像を配信するなどの対応が必要です。

 

授業中は「準備した資料が画面に共有されているか」や、「音声が聞こえにくくないか」などに気を配りましょう。対面の授業とは異なりインターネットを通じて授業を実施するため、通信環境によってはトラブルが起きる可能性があります。

 

また、生徒の理解度にも気配りが必要です。一方的に講師が話し続けると、生徒が理解できないまま授業が進んでしまう可能性があります。授業中に生徒の質問を受けたり、会話する機会を設けたりと、相互コミュニケーションをとる時間をつくりましょう。

 

オンライン授業を成功させるコツ

オンライン授業を成功させるコツは、以下の3つです。

 

●      通信環境を最適な状態にしておく

●      授業内で会話する機会を設ける

●      入念なシミュレーションをする

 

一つずつ確認していきましょう。

 

通信環境を最適な状態にしておく

オンライン授業を成功させるために、通信環境をできる限り最適な状態にしておきましょう。具体的には、通信環境が利用するツールに適しているかを確認します。例えばZoomの場合、グループビデオ通話で上りと下りともに3~4Mbpsほどあれば通信できます。

参考:Zoom のシステム要件: Windows、macOS、Linux 帯域幅の要件

 

利用するツールの説明書やホームページを調べ、ツールに合った通信環境を確認しておきましょう。

 

なぜツールに適した通信環境が重要かというと、通信環境が整っていないと配信をおこなえず、授業が始められないからです。また、通信環境が最適な状態でないと音声が配信されなかったり、画面が動かなくなったりと、問題の発生する可能性が高くなります。

 

場合によっては、新しく回線の導入が必要なケースがあります。新たな回線を導入する場合は時間がかかるため、使用するツールに必要な通信環境は早めに確認が必要です。

 

授業内で会話する機会を設ける

オンライン授業では講師が一方的に話すのではなく、授業内で生徒と会話する機会を設けましょう。

 

一方的に講師が話し続けても、生徒が理解できているかわからないからです。対面の授業であれば生徒の反応を見ながら授業をおこなえますが、オンライン授業では顔を映さなかったり、音声をオフにしたりする場合があります。生徒の反応を直接みることができないため、理解度を確認しにくいです。

 

生徒の理解度を確認しながら授業をすすめるために、会話の機会を設けるのが大切です。

 

また、生徒の通信状況を確かめる意味でも、会話は重要な役割を担っています。オンライン授業ではインターネットを通じて授業をおこなうため、通信障害のリスクがあります。会話の機会がないと、問題が発生していても気づけません。

 

対面の授業以上にオンライン授業はコミュニケーションを取りにくいため、授業内で会話する機会を設けるよう意識しましょう。

 

入念なシミュレーションをする

オンライン授業の前には、入念なシミュレーションを実施しましょう。

 

なぜなら、通信障害などの問題が発生する可能性があるからです。

 

発生したときにどう対処するか考えて、対応を決めておくことが大切です。通信障害が起きると、授業がおこなえません。そのため、通信障害を解消する方法や、通信障害が解消しなかったときの対処法などをあらかじめ決めておく必要があります。

 

また、オンライン授業では対面授業と異なり、マイクやカメラを利用します。「音声がはっきり聞こえるか」や、「画面にうつった黒板の文字が読めるか」など、入念に準備をしておきましょう。

 

入念なシミュレーションを実施することで、いざトラブルが発生したときに、慌てずに対処できるようになります。

 

オンライン授業に必要なツール【教育者側】

教育者側のオンライン授業に必要なツールは、以下の通りです。

 

●      パソコン

●      カメラ

●      マイク

●      インターネット環境

●      オンライン会議ツール

●      学習管理システム

 

オンライン授業ではインターネットに接続して授業を実施するため、インターネット回線が必要です。配信をするために、パソコンやカメラ、マイクを利用します。

 

また、配信をするにはオンライン会議ツールを利用する必要があります。オンライン会議ツールの利用により、ビデオ通話やチャット、録画などが可能です。利用するツールによっては、画面共有や資料共有などの機能もついています。

 

オンライン会議ツールにはさまざまな機能がついており、料金にも幅があります。欲しい機能と料金を確認して、自社に合ったツールを導入しましょう。

 

学習管理システムとは、生徒の受講履歴や成績管理などをおこなえるシステムのことです。学習管理システムが無くても、オンライン授業は実施できます。しかし、学習管理システムを導入すると、さらに効率的に学習管理をおこなえます。

 

まとめ

オンライン授業はインターネットを通じて授業をおこなうため、どこでも授業を実施できます。災害などの緊急時でも授業を実施でき、集客対象を全国に広げることが可能です。

 

一方、オンライン授業には通信環境にトラブルが起こるリスクがあったり、生徒とのコミュニケーションが取りにくかったりといったデメリットがあります。

 

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Remoを導入すると、生徒とのコミュニケーションを活性化することが可能です。なぜなら、Remoにはさまざまな交流のための機能が満載だからです。例えば、以下のような機能が利用できます。

 

●      リアルタイムでのリアクション

●      会場で投票やクイズなど、参加型イベントの実施

●      総合的な交流体験

●      ホワイトボードやチャットを活用したコラボ

●      Remoのスペース内を自由に移動

 

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